失業保険はアルバイトやパートでももらえるのか?

失業保険はアルバイトやパートでももらえるのか? 失業保険(雇用保険)の基礎知識
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結論から言えばアルバイトやパートでも失業保険をもらうことは可能です。

失業保険は保険の一種のため、退職や失業後に失業保険の基本手当(失業給付金)をもらうには、もちろん失業保険に加入していなければいけません。在職中に失業保険の掛け金を月々支払っていることが前提条件です。

正社員であれば社会保険の一部として給与から天引きされるのが通常ですが、アルバイトやパートの場合は少数派でしょう。では、どんな条件の場合に失業保険の対象者となるのでしょうか。

1週間の所定労働時間が20時間以上であれば雇用保険に入らなければいけない

アルバイトやパートでも1週間の所定労働時間が20時間以上で、継続して31日以上働くことが見込まれる場合には、雇用保険(失業保険)に入らなければいけません。

※所定労働時間とは、雇用契約で定められた労働時間のことです。例えば1日5時間、週5日働く契約であれば、週25時間の所定労働時間となり、雇用保険に加入しなければいけません。

そして、雇用保険の加入期間が過去2年間に12ヶ月以上あればアルバイトやパートでも失業保険をもらうことができます。アルバイトやパートなら3ヶ月だけ働くといったこともあるでしょう。雇用保険の被保険者期間は通算で計算されるので、雇用保険に加入できる仕事を繰り返し、12ヶ月以上の加入期間があれば、失業保険をもらう資格があります。

ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、12ヶ月に満たなくとも、離職の日以前の1年間に被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可となります。

アルバイトやパートで失業保険がもらえない場合

所定労働時間が週20時間に満たない場合は、雇用保険の加入対象とならず、失業保険をもらうことができません。

下図の15時間のアルバイト、パートの場合は失業保険の対象者にならないので失業保険を受けることができません。

一週間の所定労働時間

雇用保険は正社員だけを対象としていると考えている方もいますが、要件を満たしていればアルバイトやパートでも雇用保険に入ることが法律で定められています。つまり雇用者(会社側)は必ず手続きを行わなければいけません。

所定労働時間とは、雇用契約で定められた労働力を提供すべき時間のことです。1日7時間、週4日の雇用契約なら、一週間の所定労働時間は28時間となり、雇用保険の対象者となります。

本来は強制的な加入ですが、会社によっては雇用保険を支払いたくないためにアルバイトやパートは加入させていないケースもあります。給与明細をしっかりチェックして、雇用保険代が支払われているか確認しましょう。

所定労働時間が決まっていない場合でも、失業保険を受け取ることはできるのか?

所定労働時間が失業保険をもらうための基準となっています。ですが、人手が足りないなどの理由で、契約時の労働時間と実際の労働時間が大きく違うということもあるでしょう。そもそも会社が所定労働時間を定めていないという場合もあります(そのような会社はブラック企業と言って間違いないですが)。

しかし、労務管理の現場では、雇用契約がどのようになっていようと実態で判断するのが普通です。例えば雇用契約上は週15時間となっていても、実態は週30時間働いているのであれば、週30時間を基準に判断します。この場合は会社が雇用保険を支払っていなかったとしても、雇用保険の対象者であると言えます。

まずはハローワークへ証拠(給与明細やタイムカードの記録など)を持って、失業保険をもらえないのか相談に行きましょう。

失業保険をアルバイトやパートがもらうために必要な手続き

アルバイトやパートでも申請手続きは変わりません。離職票を持ってハローワークに行き、求職の申し込みを行いましょう。7日間の待機期間と給付制限期間を経過した後、失業保険の給付が始まります。

必要書類
  • 離職票−1、−2
  • 本人確認書類
  • 本人名義の預金通帳
  • 印鑑(認印)
  • 写真2枚

まとめ

失業保険はアルバイトやパートでも条件を満たせばもらうことが可能です。ですが、一度失業保険をもらうと、さらに1年間の雇用保険の加入期間が必要です。アルバイトやパートはすぐに次の仕事が決まることも多いので、失業保険をもらうのは怪我や病気で働けなくなってしまった時に取っておくのもいいでしょう。今すぐ手続きを行うのか、よく考えた上で失業保険の申請を行ってください。

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