失業保険の受給期間は退職日の翌日から1年間です。失業保険の給付日数は人それぞれですが、病気やケガで働くことができず、1年間を過ぎてしまった場合はどのようになるのでしょうか。
この記事では失業保険の受け取り延長手続きについて解説します。
失業保険の手続きをしても、受け取ることができない場合がある
失業保険の手続き後、何らかの理由により働くことができない場合は求職活動ができないため、失業保険を受け取ることができません。このままでは1年間の受給期間が過ぎてしまいます。
このような場合には、働くことができなかった日数分だけ受給期間の満了日を延長することができます。ただし、期限の延長であって給付日数が増える(受け取り総額が増える)わけではありません。
最大何日まで延長できるのか
延長できる期間は、働き続けることができなかった期間と同じ日数です。病気で6ヶ月働けなかったことが認められれば、失業保険の受給期間が6ヶ月延長されることになります。
また、最大で3年間延長することができ、最長の延長期間が認められた場合は、本来の受給期間1年間と合わせて合計4年間が受給期間となります。
延長申請できる期間
病気などで継続して30日以上働けなくなった日の翌日から、延長後の受給期間の最後の日までは申請可能です。
繰り返しになりますが、支給期間の先延ばしであって受け取り総額が増えるわけではないことに注意してください。
失業保険の受給期間を延長できる条件
以下の条件にあてはまる場合は延長手続きを行うことができます。
- 妊娠・出産・育児(3歳未満に限る)などにより働くことができない
- 病気やけがで働くことができない(健康保険の傷病手当、労災保険の休業補償を受給中の場合を含む)
- 親族等の介護のため働くことができない(6親等内の血族、配偶者及び3親等以内の姻族)
- 事業主の命により海外勤務をする配偶者に同行
- 青年海外協力隊等公的機関が行う海外技術指導による海外派遣
- 60歳以上の定年等により離職し、しばらくの間休養する(船員であった方は年齢要件が異なります)
傷病手当との違いは?
求職の申し込みをした後、病気などで15日以上働くことができない場合は失業保険を受け取ることができず、代わりに『傷病手当』をもらうことができます。
失業保険の受給期間の延長ができるのは、『30日以上働くことができない場合』です。14日までは通常の失業保険の受け取り、15日以上30日未満は傷病手当、30日以上は傷病手当または延長手続きのどちらか、といった区別で考えておくといいでしょう。
失業保険の延長手続きに必要な手続き
延長の手続きは、働くことができない状態が継続して30日を超えた日から1ヶ月以内に「受給資格者証」と「受給期間延長申請書」をハローワークに提出しましょう。
この手続きによって、本来の受給期間1年間に働くことができない日数分を加えた期間が受給期間となります。受給期間1年を過ぎても働ける状態になってから失業保険を受給することができます。
就職先が少ない地域での特別な給付制度『地域延長給付』
また、給付延長制度とは別に、失業保険の給付日数そのものが延長される制度があります。『地域延長給付』という制度で、熱心に求職活動をしているが、雇用機会が少ない地域に住んでいるため、給付期間中に就職できなかったという場合に認められます。
他にも条件があり、特定理由離職者に該当しており、45歳未満、雇用機会が少ない地域に住んでいる、などが条件です。
地域延長給付が認められると最大60日間の給付期間の延長を受けることができます。この制度は給付日数が延長されるので、受け取り総額が増えることになります。条件はかなり限定的ですが、該当する場合はぜひ活用しましょう。
まとめ
延長手続きの条件に該当する場合は、失業保険の延長手続きは必ず行っておきましょう。延長手続きを行わずとも失業保険を最後まで受け取れるだけの日数が残っているなら、延長手続きを行う必要はありませんが、家族の介護などは長引く可能性があります。確実に失業保険を受け取れるように延長手続きを行っておくことをおすすめします。
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