失業保険の手続きは長い行程がかかります。申請してもすぐに受け取ることができませんので、1日でも早く支給されるように手続きの流れを把握しておきましょう。
この記事では失業保険の受け取りに必要な手続きの流れを解説します。
失業保険の手続きは退職前から始まる
失業保険の手続きはハローワークで行いますが、実際は退職前の会社に在籍している頃から始まっています。退職後には「離職票」を会社から受け取り、ハローワークへ提出しなければいけません。スムーズに失業保険の手続きを行うためにも、離職票はいつ受け取れるのか(郵送・会社へ受け取りに行くなど、受け取り方法も含めて相談する)、人事担当部署と調整しておきましょう。
※退職理由によっては手続きの流れが変わるので注意が必要です。
- 1退職前にしておくこと
- 雇用保険被保険者証を確認する(会社が預かっていたら受け取っておく。紛失している場合は会社を通じて再交付を受けておく)
- 離職後に会社から受け取る離職票の受け取り方法を確認する(会社へ受け取りに行くのか、郵送してもらうのか)
- 2離職日の翌日から10日以内に会社が手続きする
- 雇用保険被保険者資格喪失届、雇用保険被保険者離職証明書を会社がハローワークに提出
- 離職票−1、離職票−2等をハローワークが会社を通じて交付する
- 会社から離職票−1と離職票−2が本人へ渡される
- 3離職票を受け取ったら早めにハローワークへ
失業保険の基本手当(失業給付金)は離職後初めて離職票を持ってハローワークに行き、「求職の申し込み」を行い、失業保険の受給資格者であるという決定を受けた日から一定期間経過後に支給されます。すぐに失業保険を受け取ることができないので、1日も早く手続きを行ってください。
- 4ハローワークで求職の申し込み手続き
- 「失業状態の確認について」というアンケートに記入する
- 「求職票」に就職についての希望などを記入する
- 必要書類と合わせて提出し、順番がきたら職員に呼ばれて受給資格を決定する面接を受け、「受給資格者のしおり」などを受け取る。これで受給資格が決定される。
手続きに必要なもの
- 離職票−1
- 離職票−2
- マイナンバーカード、マイナンバー通知カード、マイナンバーが記載された住民票等のマイナンバー確認書類
- 運転免許証、写真付きマイナンバーカードなどの本人確認書類
- 印鑑(認印)
- 写真2枚
- 本人名義の普通預金通帳
- 5雇用保険説明会
指定された日にハローワークへ行き、雇用保険受給資格者証、失業認定申告書などを受け取ります。
※説明会は次の「7日間の待期期間」後になる場合もあります。
- 67日間の待期期間
受給資格の決定を受けた日から、失業の状態が7日間経過するまでを「待期期間」といい、この間は失業保険の支給対象となりません。アルバイトなどをした場合は、その日数分だけ先送りになるので注意が必要です。
- (対象者)3ヶ月の給付制限期間
自己都合や懲戒解雇で退職した場合は、さらに3ヶ月間の「給付制限期間」がつきます。この3ヶ月間は失業保険は支給されません。
- 7失業の認定
指定された日にハローワークへ行き、失業の認定を受けます。雇用保険受給資格者証、失業認定申告書などを提出します。
- 雇用保険受給資格者証
- 失業認定申告書
- 受給資格者のしおり
- 印鑑(認印)
- 8最初の基本手当の支払い
失業の認定を受けると、待機期間の終了から失業の認定日の前日までの日数分は基本手当を受け取ることができます。銀行口座への振り込みになるので、おおむね1週間程度かかると考えておきましょう。
- 9以降4週間ごと
4週間に一度ハローワークへ行き、次回の認定を受ける必要があります。行けないと失業保険をもらえなくなるので、行けない理由がある場合は必ずハローワークへ連絡して指示を受けましょう。
このような流れなので失業保険の支給は早くても1ヶ月後、3ヶ月の給付制限がついた場合は約4ヶ月後になります。離職票の受け取りが遅れるなど、手続きがスムーズにいかない場合はさらに遅くなりますので、退職前に手続きをよく理解しておき1日でも早く受け取れるようにしましょう。
失業保険の終了日
離職の翌日から1年後(離職した日の1年後の同じ日)に受給期間満了日となります。この日を過ぎると失業保険の給付日数が残っていても支給されなくなるので注意しましょう。
下記のスケジュール例では、残っている30日間の失業保険は受け取ることができません。
再就職先が決まったら、どの段階でもすぐにハローワークへ連絡する
再就職手当や就業手当などの支給を受けられる可能性があります。まずはハローワークへ連絡し、採用日から1ヶ月以内に手続きを行いましょう。
まとめ
失業保険は退職してから実際の受け取りまで長い期間があります。会社の倒産など、会社都合の退職の場合は早く支給されますが、自己都合退職の場合は約4ヶ月後になります。
しかし、自己都合退職の場合でも理由によっては支給開始時期が異なりますので、手続きの流れや条件をしっかりと理解して制度を活用してください。
失業保険は雇用者全員で成り立っている制度です。遠慮せず、条件に該当する時は使ってしまうのが良いでしょう。