失業保険がもらえる期間 失業手当給付日数の計算方法

失業保険がもらえる期間 失業保険(雇用保険)の基礎知識
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失業保険は退職理由や年齢によって受け取れる期間「所定給付日数」が変わります。この記事では所定給付日数の条件について解説します。

失業保険はいつまで受け取れるのか?

失業保険は、例えば雇用保険の加入期間が1年以上10年未満の場合、90日間支給されるケースが多いです。これは自己都合退職の場合で、受け取る期間は下記4つのポイントから区分されます。

・離職理由(退職理由)
・離職時の年齢
・雇用保険の加入期間
・障害者等の就職困難者

この中でもっとも重視されるのが「離職理由(退職理由)」です。倒産やリストラなどの「会社都合」による退職の場合は『特定受給資格者』という区分になり、失業保険の給付日数や給付開始時期に大きな違いが出てきます。

また、自己都合での退職でも、一部の理由に該当する場合は『特定理由離職者』という区分になり、さらに「特定理由離職者1」「特定理由離職者2」に分けられます。「特定理由離職者1」は、前述の『特定受給資格者』と同様の条件で給付を受けることができます。

失業保険は退職理由によって開始の時期や受給できる日数が異なる

離職理由(退職理由)や離職時の年齢を元に大きく4つの分類が行われます。

定年退職者

離職日の年齢に関係なく、被保険者であった期間により、90日から150日の給付日数となる。

自己都合退職者

離職日の年齢に関係なく、被保険者であった期間により、90日から150日の給付日数となる。

特定受給資格者および特定理由離職者

被保険者であった期間と離職日の年齢により、90日から330日の給付日数となる。

就職困難者(障害者等の離職者)

被保険者であった期間と離職日の年齢により、150日から360日の給付日数となる。

表にまとめると次のようになります。

一般受給資格者
特定受給資格者や特定理由離職者

つまり、会社都合の退職は雇用保険の加入期間や離職日の年齢が考慮されますが、自己都合退職の場合は年齢に関係なく雇用保険の加入期間で決まります。

例えば23歳で入社し、30歳で退職した場合は、雇用保険の加入期間が7年間あります。この場合、会社都合なら180日間、自己都合なら90日間失業保険が給付されます。

ポイントは会社都合で退職する場合、30歳を迎える前に退職してしまうと120日間になってしまうことです。給付期間が大きく違いますので、離職日の年齢には十分注意しましょう。

特定受給資格者・特定理由離職者になると給付日数はどのように違う?

会社都合による退職は『特定受給資格者』となります。再就職の準備をする時間的余裕もなく、離職を余儀なくされた人のために、一般の自己都合退職者よりも失業保険の給付日数が多くなり、さらに支給開始日も早くなっています(7日間の待期期間終了後にされます。自己都合退職はさらに3ヶ月後)。

ここで注意しなければならないのは、年齢や雇用保険の加入期間に基づいて決定されるというプロセスは変わらないということです。雇用保険の加入期間が短い場合は、一般の自己都合退職者と給付日数に違いがありません。この場合は支給開始日が早いという点のみメリットが受けられると考えていいでしょう。

特定理由離職者は、「特定理由離職者1」と「特定理由離職者2」に分かれると説明しましたが、違いは次の通りです。

理由優遇措置
特定理由離職者1期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、労働者自身が更新を希望したにも関わらず契約更新の合意ができなかったことにより離職した場合自己都合ではなく、会社都合の退職と同様に判断され、7日間の待期期間終了後に支給が開始されます。給付日数も優遇され、特定受給資格者と同じ扱いになります。
特定理由離職者2病気やケガ、妊娠・出産、家族の介護などやむを得ない理由で離職した場合特定受給資格者のような給付日数の優遇はありませんが、3ヶ月の給付制限がなくなります。

もっと詳しく知りたい場合はこちらの記事も参考にしてください。

注意!失業保険の給付には受け取り期限がある

失業保険は収入のない生活を支えるためのものですから、すぐに手続きを行うことがほとんどです。しかし、のんびりしていると受け取り期限が来てしまう可能性があります。

失業保険は離職した日の翌日から1年間の間に受け取り終わらなければいけません。給付日数が残っていたとしても1年間を過ぎた時点で打ち切られてしまいます。

失業保険の申請が遅れてしまった場合

上記の例では90日の給付日数がありましたが、受給期間が残り60日の時点で手続きを開始したため、30日分は支給されなくなってしまいました。受け取り期限が来ない内に1日でも早く手続きを行いましょう。

出産や介護、病気などで退職後、継続して働くことができない場合は延長手続きをしよう

しかし、失業保険の手続き後、何らかの理由により働くことができない場合は求職活動ができないため、失業保険を受け取ることができないまま受給期間が過ぎてしまいます。このような場合には、働くことができなかった日数分だけ受給期間の満了日を延長することができます。ただし、期限の延長であって給付日数が増える(受け取り総額が増える)というわけではありません。

以下の条件にあてはまる場合は延長手続きを行うことができます。

  1. 妊娠・出産・育児(3歳未満に限る)などにより働くことができない
  2. 病気やけがで働くことができない(健康保険の傷病手当、労災保険の休業補償を受給中の場合を含む)
  3. 親族等の介護のため働くことができない。(6親等内の血族、配偶者及び3親等以内の姻族)
  4. 事業主の命により海外勤務をする配偶者に同行
  5. 青年海外協力隊等公的機関が行う海外技術指導による海外派遣
  6. 60歳以上の定年等(60歳以上の定年後の継続雇用制度を利用し、被保険者として雇用され、その制度の終了により離職した方を含む)により離職し、しばらくの間休養する(船員であった方は年齢要件が異なります)

延長の手続きは、働くことができない状態が継続して30日を超えた日から1ヶ月以内に受給資格者証と受給期間延長申請書をハローワークに提出しましょう。

この手続きを行うと離職した日の翌日から1年間にプラスして、働くことができない日数分(最大3年を限度)を加えた期間が受給期間となります。

延長できる条件病気などの理由で働くことができない状態が継続して30日以上続く場合
延長できる期間その理由で働くことができなかった日数(最大3年間)
延長の手続き働くことができない状態の31日目から1ヶ月以内に、受給資格者証と受給期間延長申請書をハローワークに提出

まとめ

失業保険の給付日数は、退職理由や雇用保険の加入期間、離職時の年齢などによって変わります。さらに失業保険を過去に受け取ったことがあるか、など様々な条件から決定されるので、まずはハローワークに問い合わせましょう。退職を考え始めた時点で一度相談に行くことをおすすめします。

また、失業保険の受け取り期限は1年間です。1年間を過ぎると給付日数が残っていても失業保険をもらえなくなるので、離職票を受け取ったらすぐに手続きを行ってください。

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