失業給付とは?失業保険や雇用保険とはどう違うのか?

失業給付の解説 失業保険(雇用保険)の基礎知識
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失業給付とは、失業状態にある人に支給される給付金のことです。非常にたくさんの種類がありますが、よく似た言葉に「失業保険」や「雇用保険」といったものがあります。この記事では、言葉の意味の違いや失業給付の種類について解説します。

失業給付は雇用保険制度(失業保険)の一部

「失業給付」とは、「失業保険」「雇用保険」などと呼ばれる制度の中の一部です。

「失業保険」と「雇用保険」は大きな意味では同じものを指しており、昭和49年にそれまでの「失業保険法」が「雇用保険法」として名称が変わりました。しかし、「失業した時に受け取れるお金」として「失業保険」の方が意味が分かりやすく、一般的には「失業保険」がよく使われているようです。このサイトでも主に失業保険で解説しています。

似た言葉が複数あって混乱しますが、「失業給付」は、雇用保険制度の「失業等給付」事業の「失業状態にある人」への「基本手当」を指しています。失業給付=基本手当を受け取ること、と言えます。

失業状態とは、働く意思と能力があり、積極的に就職活動を行なっているのに職が見つからないという状態のことを指しています。例えば病気やケガで離職後すぐに働くことができない、といった場合は「働けない=失業状態ではない」ということになり失業給付を受け取ることができません。他にも12ヶ月以上の雇用保険の加入期間が必要など各種の条件があります。

雇用保険制度に含まれる支援制度

失業給付は雇用保険制度の一部であることは先に述べました。

雇用保険は大きく分けて2つの事業から成り立っています。

  • 労働者が失業した場合や病気などで働けなくなった場合、または職業に関する教育訓練を受けた場合に、生活の安定と就職の促進のために失業等給付を支給する事業
  • 失業の予防や雇用の安定、または労働者の能力開発や福祉の増進を図る事業

この2つの事業を柱とする、雇用に関する総合的な支援を行う制度です。

失業給付以外にもらえる給付金

雇用保険制度において、失業給付以外にもらえるお金はこれだけあります。

技能習得手当受講手当公共職業訓練を受講した場合に基本手当に加えて1日500円が支給される
通所手当公共職業訓練の訓練施設に通うために交通機関を利用した場合、基本手当に加えて月額最大42,500円まで支給される。マイカーで通う場合でも最大8,010円まで支給される
寄宿手当公共職業訓練を受けるために扶養家族と別居して寄宿生活をしなければならない場合に、基本手当に加えて月額最大17,000円まで支給される
傷病手当求職の申し込みをした後、15日以上継続して病気やケガで働けない場合に支給される
高年齢求職者給付金65歳で定年退職した人が、その後も働く意欲がある場合に、失業給付の代わりに支給される
特例一時金季節的に雇用される短期労働者向けの給付金
日雇労働求職者給付金30日以内の期間を定めて雇用される日雇労働者向けの給付金
就業促進手当再就職手当基本手当を受けていた者が、安定した職業に就き、かつ基本手当の給付日数が3分の1以上残っている場合に支給される
就業促進定着手当再就職手当の支給を受けた人が、引き続き再就職先に6ヶ月以上雇用され、かつ以前の職場よりも賃金が低下している場合に支給される
就業手当基本手当を受けていた者が、再就職手当の支給対象とならない常用雇用等以外の形態で就業した場合に、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上あり、一定の要件に該当する場合に支給される
常用就職支度手当基本手当等の受給資格がある人で、障害がある人など就職が困難な人が安定した職業に就いた場合に支給される
移転費再就職先に勤めるために、どうしても引っ越ししなければならない場合に支給される
求職活動支援費広域求職活動費遠方への就職活動をした場合に、交通費や宿泊費の一部が支給される
短期訓練受講費再就職のために必要な教育訓練を受けた場合に、教育訓練費の2割(10万円まで)が支給される
求職活動関係役務利用費就職活動の際に保育サービス等を利用した場合、費用の一部が支給される
教育訓練給付金スキルアップを目的として、指定された講座を受講する場合に受講料の一部が支給される
高年齢雇用継続給付60歳以上65歳未満で、雇用保険の加入期間が5年以上ある人が、60歳以降の賃金が低下する場合に支給される
育児休業給付育児休業を申請した雇用保険の被保険者に、休業前の賃金の一部が支給される
介護休業給付両親の看病や介護で休業する雇用保険の被保険者に、休業前の賃金の一部が支給される

まとめ

「失業給付」とは、雇用保険制度の「失業等給付」事業の「失業状態にある人」への「基本手当」を指しています。退職を考えた時・止むを得なく失業してしまった場合は、まずは基本手当の受け取り手続きを確認してください。

基本手当以外にも多くの給付金がありますが、失業等給付の対象になるにはそれぞれ条件が異なります。退職のタイミング・理由などによっても、支給される金額や日数に違いが出るので、退職を考えたときは、退職前によく調べておいた方がいいでしょう。

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